概要
著者は、渡部清二さんです。
この著者はとても凄い人で、四季報を片手に日本株を機関投資家へ売りまくった伝説の元証券マンなんです。『インベスターZ』の作者、三田紀房氏の公式サイトでは「世界一『四季報』を愛する男」と紹介されました。
この本では、伝説の証券マンが教える10倍株の発見法。四季報の読み方はもちろん、使い方が身につく一冊となっています。ここでは、10倍株の発掘法をメインに1部をご紹介したいと思います。
会社四季報とは
会社四季報って何?なんとなく知っている人もいると思います。
簡単に言うと、2000ページ以上ある、上場企業にのデータを収録した年に4回発行される『企業辞典』のようなものです。
10倍株探しのポイント
- 成長性を示す『増収率』高い
- 稼ぐ力を示す『営業利益率』が高い
- オーナー経営者で筆頭株主
- 上場5年以内
この4つのポイントを抑えることが10倍株を手にする条件であると筆者はいっています。次から詳しく1つずつ見ていきましょう。
1. 成長性を示す『増収率』が高い
売上高が全ての源泉であり、設備投資や配当の源泉は売上高です。
売上を、延ばすための3つの方法
- 業界内のシェアを拡大する
- 既存マーケットを新しいのもで置き換える(イノベーション)
- グローバル化等で新天地を求める(海外進出)
2. 売上高営業利益率10%以上
売上高営業利益率を求めるためには、まず営業利益を求める必要があります。
営業利益は売上高から、売上原価や、販管費を引いて残った値をいいます。
営業利益を売上高で割った値が売上高営業利益率となります。計算式は以下の通りです。
売上高営業利益率=営業利益÷売上高×100
売上高営業利益率とは、売上高のうちどれくらいが営業利益として残るかを表しています。
営業利益は、本業の業績を表す利益のことであり、営業利益が大きい会社は本業がうまくいっていることを意味し、反対に小さい会社は本業があまりうまくいっていないことになるため、とても重要な指標となります。
3. オーナー経営者で筆頭株主である
筆頭株主とは、1番多く株をもっている株主をいい、株式を多く保有している大株主ほど企業の運営に関しての意見等、影響力を出せます。つまり、会社オーナーが筆頭株主であればやりたいことを思い切り推し進められます。
例を出すと
- ソフトバンクG:孫正義(21.2%株式保有)
- ファーストリテイリング:柳井正(21.5%株式保有)
筆頭株主が経営権である
- (◎)経営にコミットする意思表示・他株主から信任される自信の現れ
- (◎)株価右肩上がりの会社は筆頭株主が創業者という共通点がある
注意点
- (×)投資ファンドが筆頭株主になっていたら注意(上場させて売却して利益を得る可能性がある)
- (×)オーナー一族が上位株主にずらりと並んでいる場合は相続対策の可能性がある
4. 上場から5年以内
なぜ上場から5年以内の会社を狙うのか理由は以下の通りです。
- 成熟した企業は今から10倍100倍は難しい
- 若い会社は将来性があり10倍100倍狙える
また、2007年から2017年の10年間で時価総額が10倍以上になった企業は48社あります。48社を細かくみてみると、
- 上場5年未満が61%
- オーナー経営が80%
- 時価総額100億未満の小型株が60%
いかに、上場5年未満でオーナー経営者の小型株が10倍株の可能性が大きいかわかると思います。
注意ポイント
売上成長率や、営業利益率がギリギリだとスクリーニングする場合に漏れる企業もあります。
また、小型株は変動が激しいので買うのであれば同じ金額で20銘柄以上に分散投資することをおすすめしています。
売る場合は、ストーリーをもってしっかりと取引しましょう。例えば、売上の伸び率が鈍化したら売る等、基準を設けることは大切です。
まとめ
本書では、四季報をすべて読まなくとも10倍株&100倍株を見つけるノウハウをわかりやすく解説しています。株取引を始めようと思っている人。株取引を始めているいる人も一冊は持っていたい最高の一冊です。