第12回 株式トレードで必ず押さえろ!「価格帯出来高」をやさしく解説!

チャート分析

価格帯出来高と出来高の違い

 価格帯出来高とは、株価ごとに成立した株の売買数量のことを意味しています。つまり〝いくらでどのくらいの売買が実行されたか〟を表したものです。

 わかりやすく、実際にチャート図を使用してみていきましょう。

 

価格帯出来高

下値支持線

 A株、上図のように株価420円〜480円の間で合計30,000株の取引が発生したとします。

 この株の適正株価はどこが1番適しているでしょうか?

 上図を見ると株価が450円のときに15,000株の出来高が発生しており、420〜480円の間で1番売買がされていることが分かります。つまり、A株の適正株価は450円と考えて多くの投資家が取引をしていると分かります。

 このように、価格帯出来高はトレーダーの心理を知って株の需要と供給を把握できます。

 

現在の株価が最大ボリュームより下の場合

 ボリュームのある価格帯は上値抵抗線になる可能性が大きい

下値支持線

 株価が500円になった場合、500円以上で購入した投資家が多くいるため、自分が購入した額よりも下がってる状態(含み損を抱えている)です。このときの心理状態はどのようなものでしょうか?

 含み損を抱えた心理状態

 ◎株価が購入金額より下にある

  • はやく株を売り切りたい
  • 損切りしたいけど、できない
  • これ以上下がったらどうしよう 

 ◎株価が購入した価格に戻った

  • ようやく戻った!
  • 含み損がなくなったタイミングで売り切りたい
  • 損失を少しでもいいから軽くしたい

 以上の心理状態を、推測できます。つまり、株価が安値から500円に上昇した場合、売りが多くなって上昇の勢いにブレーキがかかってしまう可能性が大きいです。このように、ボリュームのある価格帯は上値抵抗線になる可能性が大きいと覚えておきましょう。

 

現在の株価が最大ボリュームより上の場合

 ボリュームのある価格帯は下値支持線になる可能性が大きい

 株価が480円になったとき、多くの人は含み益を出している状態になります。多少株価が下落しても急いで売る投資家は少なく、価格帯出来高の多い450円まで下がっても過去に多く取引しているから「株価が上げ相場で株価が下がったとき、そのタイミングを狙って購入しよう(押し目買い)」と思う投資家が多くなります。以上のことから、ボリュームのある価格帯は下値支持線として機能する可能性が大きいと覚えておきましょう。

 

チャートで学ぶ

上値抵抗線

下値支持線

 ボリュームの多い価格帯に近づくと、見えない壁(上値抵抗線、下値支持線)に跳ね返されています。

 私が実際の株トレードで気をつけていることは、大きな価格帯出来高が現在の株価よりも上にあった場合は、そこで一旦上昇が鈍化すると考え、一部を利益確定をしようかな?と考えます。

 逆に、株価の下に大きな価格帯出来高がある場合は概ねその辺りが下落の底で反発すると考えて購入のタイミングを伺います。

 また、ボリュームが少ない価格帯では、値動きが軽くなる傾向があり上や下に大きく株価が乱高下する可能性があります。

 

まとめ

 価格帯別出来高とは、いくらでどれくらいの株が売買されたかを表します。価格帯別出来高が多い部分では、株価の変動が止まりやすいので注意しましょう。

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