ブログ『マネサピ』を運営しています『ゆーきっちゃん』です。今日は金利の勉強パート③ということで、10年に一度金融危機が起こる理由を学んでいきましょう♪
金利の復習をしたい方は↓↓
第53回 金利がわかると経済が見えてくる!3つの金利を見て景気の未来を予測しよう
信用サイクル
第54回で説明した信用サイクルは、銀行が融資するかで局面が変わります。サイクルは主に以下の4つで10年ごとに繰り返されます。
- リスクオン
- レバレッジ
- リスクオフ
- 財務緊縮
それではそれぞれの局面を見ていきましょう!
①リスクオン局面
景気は上向きで、企業も収益が向上してデフォルトの危険性が低くなりますので、銀行にとっては融資がしやすい状況です。
まさに、銀行は「どんどん貸します」の状況で景気が上振れする時季です。
②レバレッジ局面
銀行の融資姿勢に変化はないですが、企業は借入金が増えて信用力が落ちる時期です。
銀行は「若干不安ですが、貸します」という姿勢です。
③リスクオフ局面
銀行の融資に対する姿勢は消極的になることで、企業は業績が振るわない。今までの反動から景気は下振れ。
銀行は「検討したけど、貸せないな」って感じです。
④財務緊縮局面
企業が返済するために、財務状況を見直して信用を回復します。そてて、①に戻ります。
銀行は「また貸してもいいですよ」って感じです。
銀行融資の消極化が景気後退を招く
信用サイクルは銀行融資姿勢のサイクルです
約10年に一度の景気後退局面では銀行が貸し渋り(融資の消極化)した結果、企業は資金調達ができなくなり、デフォルトつまり倒産するリスクが高まります。
3つのサイクルが合体するとやばい
- 信用サイクル(10年)
- 金融政策サイクル(5年)
- 在庫サイクル(2.5年)
この3つが重なると世界を巻き込む危機となります。例えば、シャドー部分の「ITバブル崩壊」「世界金融危機」のような深い景気後退局面が含まれますので3サイクルの合致時期は注意が必要です。
10年に一度の金融危機を予測することが大切ですね、、けど銀行の融資姿勢をずっと追えません、、
そこで活用されるのが社債利回りです
社債スプレッドと信用サイクル
社債スプレッドとは、社債利回りから国債利回りを引いた数値です。
10年社債利回り − 10年国債利回り =社債スプレッド
景気悪化でスプレッド拡大
景気後退局面では企業への融資が厳しくなるので、格付けが低い企業ほど社債利回り高くなります。(社債スプレッド拡大)
好況時には、企業の信用力が上昇するので資金調達コストが低下します。(社債スプレッド縮小)
この拡大、縮小の期間は概ね10年サイクルです
社債スプレッドで景気後退を読み取る
銀行融資と企業借入は表裏一体のため、お金を貸してくれる人がいるから、借りることもできます。
リスクオン局面とレバレッジ局面では、銀行は融資に前向きなので、企業は借入を増やしてレバレッジ比率高められます。
①リスクオン局面『積極的』
企業は借入で設備投資・生産性拡大をするためレバレッジ比率高まります。
- 株価上昇
- 社債スプレッド縮小
②レバレッジ局面『本質を見抜く』
企業は、借入で自社株買いや、企業を買収して売上げの鈍化による収益減を補うためレバレッジ比率を高めます。
- 株価一時的な上昇
- 企業の信用力が低下し社債スプレッド拡大
③リスクオフ局面『ボロがでる』
企業のデフォルト率が高まり、銀行が貸し渋りするため資金調達コストが増えます
- 株価下落
- 社債スプレッド拡大
④緊縮財政局面「生まれ変わり」
企業は借入を縮小、財務の改善を図るため、企業の信用力が回復します。
- 株価下落傾向
- 社債スプレッドは縮小
社債スプレッドの拡大は景気後退のサイン
10年の信用サイクル
・①リスクオン局面〜②レバレッジ局面は期間が長いのが特徴で、ゆっくりと株価は上昇します。
・③リスクオフ局面で株価は短期間で下落します。
このリスクオフ局面では、コツコツ積み上げてきたものが一気に剥がされるので、早期に察知することが大切です。
何を見ればいいんですか?
社債スプレッドの推移を追いましょう
リスクオン局面とレバレッジ局面では社債スプレッドは対象的な動きをみせるので、レバレッジ局面の確認ができます。
株価の上昇+社債スプレッド拡大=黄色信号
社債スプレッドの動向
- リスクオン局面→縮小
- レバレッジ局面→拡大
- 株価が下落→リスクオフ局面
株価上昇で、社債スプレッド拡大していると黄色信号です
局面 | 株式 | 社債スプレッド |
①リスクオン | ↑上昇 | ↓縮小 |
②レバレッジ | ↑上昇 | ↑拡大 |
③リスクオフ | ↓下落 | ↑拡大 |
④財務緊縮 | ↓下落 | ↓縮小 |
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